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【GIGAスクール】一人一台端末、なぜスマホじゃだめなの?

Education

一人一台端末が小学校、中学校、高校と段階的に導入されてきました。
すべての校種で、何かしらの端末を生徒に持たせている状況かと思います。
以前、このBlogで教育現場で求められるデバイスについて考察しました。

教育現場で求められるデバイスは?
学校教育現場に求められる生徒一人一台のデバイスについて考えてみました。ポイントは『用途を決めてデバイスを選択する』ということだと思います。

ここでも触れていますが、やはり『用途を決めてデバイスを選択する』ことが重要です。
私の勤務校では、iPadを選択しました。
職員室で聞こえてきた声から、考察したいと思います。

授業の現状

ここ数年で、授業の様子は大きく変わっていると思います。
もちろん、昔ながらのチョークと黒板の授業もあります。
これはこれで、大切な授業手法です。
一方で、多くの先生方が「先生がICTを使う」授業を展開されていると思います。
基本の「大きく映す」を中心に、授業でスライド資料や写真、動画コンテンツなどを先生が授業に取り入れている様子が伺えます。
一方で、「生徒がICTを使う」場面は、どうでしょうか?
アンケートした所、私の所属では、残念ながら1割ほどの先生しか実践できていませんでした。
日常の授業の中での話です。

生徒に何をさせてあげられるのか

なぜ、このような現状があるのでしょうか。
生徒は、すでにiPadを持って歩いている状態です。
Googleのクラスルームが整備され、学年のお知らせや各種アンケートなどがフォームで実施されています。
例えば、英語や国語の先生に言わせると、

  • 端末で文章を書かせると、予測変換で正しいスペルや漢字が出てきてしまい、その部分の力をつけさせることができない。

という話になってしまいます。
確かに、ノートの代わりとしてタブレット端末を利用しようとすると、ワープロのアプリケーションで何かを書かせるという活動になってしまいます。
そういった利用もありだとは思いますが、果たしてそのための端末でしょうか。
かといって、生徒がノートに書いた手書きのものを毎回毎回写真にとって提出させるのも違うように感じます。
だったら、これまで通りの紙媒体を集めれば済む話です。

ネットワーク上のサービスを上手に使う

文部科学省の言っている合言葉は「端末を文房具のように使う」でしたっけ。
なるほどなと思う言い回しだと思います。
例えば、授業の中でハサミという文房具は毎回は使いません。
ですが、持っていると割と登場頻度が高かったりして便利な文房具です。
そのぐらいの位置づけで捉えられると、少し考えるのが楽になるように感じます。
例えば、授業の導入やちょっとした問題提起の時に端末を登場させます。
Googleのフォームでアンケート形式で集約する方法があります。
これなら、選択肢を用意しておいて選択回答させることで、リアルタイムで集計結果を見ることができます。
私も、4月当初の授業開きで生徒の進路希望やICTスキルを聞いたり、単元の最初の問題提起で予備知識を与えずに回答させたりしています。
最近、ある教育雑誌で発見したWeb上のサービスでMentimenter(メンチメンター)があります。

Interactive presentation software
Interact with your audience using real-time voting. No installations or downloads required and it's free!

これは面白いです。
それこそ、リアルタイムで集計してくれるアンケートやクイズを出題することができます。
昔流行った脳内メーカーのようなワードクラウドも、リアルタイムで作ってくれます。
mentimenter
URLでシェアすることもできますが、その場でQRコード作成もしてくれます。
これは便利です。
生徒が黒板に投影したQRコードを撮影して回答するのですが、スムーズにやってくれていました。
先日は、思考を深める授業に向けた仕掛けの一つになってくれました。
有料になってしまいますが、ロイロノートやMetamojiなどの生徒がタブレット上に手書きで書き出したものを集約できるサービスも便利です。
トライアルに申込みをして少しだけ活用させてもらいました。
教育用にUIが設計されているだけあって、生徒に使用方法を一々教えなくても上手に扱っていました。
この、使い方を説明しなくても生徒が扱えるというのは重要です。
授業はICTの使い方講座ではありません。
活用して、各種教科の考え方を深めるためのものです。
学校はパソコンスクールではないので、ある程度の所からは生徒の興味関心に託します。
まさに、「学びに向かう姿勢」を育成できれば教師の勝ちです。

スマホじゃダメなの?

今挙げたレベルの内容ではスマホでも十分対応できます。
というか、昨年度までは私の所属でもスマホでこのぐらいの事は何人かの先生方が実践してきました。
国や自治体からは、スマートフォン以外でとあります。
これはなぜでしょう。
一つは画面サイズの問題かと思います。
例えば、前述のようにワープロやプレゼン用にスライド資料を作らせてパフォーマンステストの様なことをするとなると、スマホの画面サイズでは限界があります。
生徒は器用にやっているつもりでも、いざプロジェクターで投影すると妙に大きすぎたり、逆に小さすぎたり見にくいものが登場します。
表計算の要素が入ると、スマホでは完全にダメでしょう。
まぁ、そうなるとタブレットにも限界がきてしまいますが・・・
また、別の問題としては、通知の問題があると思います。
大人もそうですが、生徒のスマホって通知で溢れています。
着信、メール、メッセージはもちろん、LINEに代表されるSNSの通知、各種ショップアプリの通知などなど、きりがありません。
授業や深い思考に向けて活動している時に、ピロリーンと鳴ってみたり、バナー通知が登場するのは正直邪魔です。
思考の妨げですよね。
私は、別に端末を用意する理由ってここにあるように思います。
まぁ、iPadだとスマホに近い通知環境が整ってしまうので、整理整頓が必要ですが。

まとめ

余計な通知が出てこないメリットが、スマホ以外の端末にはあります。
もちろん設定次第ですが、スマホの通知設定を一々切るってハードルが高いと思います。
タブレットであれば、ましてやWifiモデルであれば、そもそも通知を全部切ってしまってもいいように思います。
そういった意味では、Chromebookって用途に特化していていいなと個人的には思います。
が、いくらオフラインで使えることがあっても、やっぱりネットワーク環境に依存します。
そういった意味でiPadを選択したわけですが、個人的にはタブレットタイプのChromebookがオススメです。
『用途を決めてデバイスを選択する』ことが大切ですが、見切り発車で始まった面もあります。
なんでもトライアンドエラーです。
とりあえず、デバイスを使う授業をやってみてから考えるというのも今は必要かもしれません。

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