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【考察】高校の情報教育はどこへ向かえばいい?

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教材研究がてらWebサーフィン(もはや死語でしょうか)をしていたら、東京大学理学部情報科学科のページに、興味深い内容が掲載されていました。

高校生に伝えたいほんとうの情報科学|東京大学理学部情報科学科・コンピュータ科学専攻
まず高校の「情報」の授業を忘れよう。

少し考えることがあったので、まとめてみようと思います。

教育課程が変わろうとしている

2年後に高校で指導する共通教科「情報」の科目が変わります。
現在は、「社会と情報」と「情報の科学」の2つです。
令和4年度より移行する学習指導要領により、「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」に再編されます。
現行の一つ前の教育課程から現れた「情報」ですが、教育課程の変遷と伴に科目名、指導内容が変わっていく状態です。
これは、内容が時代の進化に合わせて進化しているということです。
それだけ、教える側は常に勉強していく姿勢を求められるように感じます。

未だに中途半端な科目

前述の高校生に伝えたいほんとうの情報科学の冒頭に、鮮烈な言葉が並んでいます。

高校生に伝えたいほんとうの情報科学|東京大学理学部情報科学科・コンピュータ科学専攻
まず高校の「情報」の授業を忘れよう。

情報科学というと、「情報の科学」という科目のことを思い出す人がいるかもしれません。でも、そういう人は少数でしょう。高校の課程に必履修の教科として「情報」が加わってから10年以上経っているのですが、いまだに中途半端な教科であり続けています。

現状は、その通りです。

一生懸命に取り組んでおられる先生もいらっしゃいます。
しかし、他教科の中には「パソコンの使い方を教える科目」と捉えている方もいらっしゃいます。
広い身では、その通りですが、多くの目は狭い意味で捉えているように感じます。
教科書は整えられてきましたが、指導内容は未だに学校によってバラツキがあります。
教科書を扱わず、オフィス系ソフトの実習に終始している学校も無いわけではないようです。

系統立てて学ぶには範囲が広い

現状の「社会と情報」「情報の科学」どちらにしても、全てを学ぶには2単位では正直厳しいです。
単純に座学に徹するなら無理はありません。
しかし、実習を伴って初めて知識が理解へ繋がります。
そうなると、かなり厳しいのが現実です。
新課程の「情報Ⅰ」や「情報Ⅱ」の詳細はこれから出揃います。
現実の内容にプログラミングが加わるとなると、かなりの範囲となります。

タイピング実習は不要なのか

「児童生徒は小学校・中学校で情報リテラシーを学んでくる」
らしいのですが、実際はどうでしょうか。
家庭に生徒が自由に利用できるキーボードが付いたPC等はどのくらいあるのでしょうか。
最近の傾向として、スマホはほぼ全ての生徒が全日制高校であれ定時制高校であれ所有しています。
パソコンとなると、生徒が自由に使えるものが無い家庭が半数近いです。
家庭でのパソコン需要は、スマホやタブレットに変わっていっています。
となると、基本的な活用についてのハードルは数年前より圧倒的に下がっています。
が、キーボードの利用力については、グンと下がってしまったように感じます。
ただここで重要なのは、「パソコンの使い方を情報の授業を通して教えるのか」ということです。
タイピング実習というか、タイピングに慣れる環境は用意してあげるべきです。
様々なシーンで、パソコンやタブレットを利用して何かをまとめたり何かを調べ上げる環境は整えてあげるべきです。
パソコン室以外で、気軽に以下のようなデバイスを利用できる環境があるといいですね。

教育現場で求められるデバイスは?
学校教育現場に求められる生徒一人一台のデバイスについて考えてみました。ポイントは『用途を決めてデバイスを選択する』ということだと思います。

ですが、それを情報の授業で扱うかというと違くなってきます。

情報教育の違いを考える

学問としての「情報」を教えるのが、今後の教科情報の授業で求められて色濃く求められていくのでしょう。
これまで「情報活用力」を指導してきた内容は、例えば他教科の授業内や総合的な探求の時間、普段の学校生活の中で扱っていくことになります。
教科としての情報教育と、リテラシーとしての情報教育の違いとでも言いましょうか。
そう考えていくと、前述の学習範囲の広さは、もう少し整頓できるように感じます。
共通テストには、パソコンの使い方的な内容は問われないのではないでしょうか。
なぜならば、使用ソフト、使用OSの違いにより統一的に設定するのは困難だと思います。
となると、学問としての情報を指導していく指導計画を立てる必要が出てきます。

まとめ

最初、今回のサイトを読んだときは「ドキッ」としました。
高校での指導内容と大学が求めている内容の差が広がっているのは感じていました。
なので、その差がどこまで広がってしまうのだろうと考えてしまいました。
よく考えたら、考え方の根底が違いましたね。
生徒たちが、普段からスマホ以外のコンピュータに主体的に使用する環境を整えてあげれば、学問としての情報の授業展開を進めていくことができます。
パソコンの使い方を教える科目と思われている認識も、共通テスト科目になることで徐々に変わり、脱中途半端な科目になっていけるよう努力していきたいものです。

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